バーチャルオフィスのデメリット10個とメリット8個|4オフィス比較で解説

- 起業にあたり、レンタル・シェア・バーチャルオフィスのメリット・デメリットを比べて、自分に最適なものを選びたい
- バーチャルオフィスは初めての利用で不安。どんなリスクやデメリットがあるのか知りたい
- トラブルを避けるために、契約前にデメリットを確認しておきたい
- 自宅で仕事をしているが、プライバシーとビジネスイメージのために、別のビジネス住所を持つべきか迷っている
起業や個人事業では、拠点となるオフィスが必要です。バーチャルオフィスは、賃貸オフィスと比べて費用を最大1/100まで抑えられるため、多くの方が興味を持っています。一方で、「安いけれど、何か致命的なデメリットはないのか」と不安な方も多いはずです。
この記事では、その不安を解消するために、バーチャルオフィスのデメリット10個とメリット8個を、レンタルオフィス・シェアオフィス・賃貸オフィスと比べながら解説します。各社公式サイト・公的機関の公表情報と、実際の申込フローの調査にもとづいています。
結論を先に言うと、業種や目的によっては、バーチャルオフィスが向かない場合もあります。「レンタルオフィス」「シェアオフィス」「賃貸オフィス」のほうが適している場合もあるため、比較して選ぶことが大切です。
この記事の結論
バーチャルオフィス最大の強みは、初期費用1万円以内・月額1,000〜5,000円という低コストです。最大の弱みは、許認可が必要な業種では登記住所に使えないことです。
- メリット:初期費用1万円以内/月額1,000〜5,000円/最短2週間の会社設立/自宅住所を出さずに済む
- デメリット:古物商・士業・人材派遣・建設業などは登記に使えない/郵便が1〜2日遅れる/固定電話が引けない/住所共有で信用が下がる場合がある
- 誤解されやすい「銀行口座が作れない」「社会保険に入れない」は、どちらも事実ではない
メリット・デメリットは、比べる相手があって初めて生まれます。バーチャルオフィスを、①レンタルオフィス ②シェアオフィス・コワーキングスペース ③賃貸オフィス(または自宅開業)と比べて解説します。
バーチャルオフィスにまつわるよくある誤解
「銀行口座が開設できない」は本当?
結論から言うと、登記住所にバーチャルオフィスを使っているからといって、銀行口座を開設できないということはありません。実態のある会社で、事業内容と経営計画がしっかりしていれば、バーチャルオフィスで会社登記していても口座開設は可能です。
詳しくは「銀行口座の審査で不利になる条件」で解説します。
「社会保険に加入できない」は本当?
バーチャルオフィスを利用していても、社会保険には加入できます。「入れない」というのは都市伝説的な噂です。会社を立ち上げると、社会保険への加入は義務です。
噂の背景には、年金事務所が、社会保険に加入する事業主に「帳簿」や賃金台帳などの資料の保管義務を求めることがあります。バーチャルオフィスには帳簿や資料を保管する実際のオフィスが無いため、この義務を果たしにくいとされたのです。しかし、オフィスの有無にかかわらず、会社を立ち上げれば加入が必要です。
バーチャルオフィスのデメリットは?10個の注意点
デメリットは10個あります。それぞれ、4種類のオフィスでどう違うかを表で比べています。
住所を他社と共有する信用リスク
バーチャルオフィスでは、他社と同じ住所を共有します。共有する企業数が多いと、取引先に不信感を与える可能性があります。
レンタルオフィスやシェアオフィスでも住所の共有はありますが、多くても数十社程度です。バーチャルオフィスはスペースを借りないため、会員数を事実上無制限に増やせます。人気のバーチャルオフィスでは、多数の会社が住所を共有しているケースも珍しくありません。
実際に、2024年12月に東京商工リサーチが実施した「法人登記多数住所」動向調査では、登記上の本社が同一地にある企業数の最多は4,535社でした。2位は「東京都港区浜松町2-2-15」の3,293社、3位は「渋谷区神宮前6-23-4」の3,008社で、上位10地点のうち9か所がバーチャルオフィスでした。
出典 登記上の本社同一地の最多は4,535社(東京商工リサーチ調べ) tsr-net.co.jp/data/detail/1200470_1527.html主な問題点は2つです。
- 取引先が名刺の住所をネットで検索したとき、同一住所に多数の企業が表示され、不信感を抱かれる
- 同一住所の企業が不祥事を起こすと、同じ住所を使っていることで自社の信用が下がる
| オフィスの種類 | 住所の共有 |
|---|---|
| バーチャルオフィス | 共有が多い |
| シェアオフィス | 共有が少ない |
| レンタルオフィス | 共有が少ない |
| 賃貸オフィス | 共有がない |
登記できない許認可8業種がある
一般の会社、ネットショップ、組合、NPO、社団法人などは、バーチャルオフィスの住所で法人登記できます。違法ではなく、合法的に利用できます。
しかし、古物商・士業(行政書士・司法書士・税理士)・職業紹介業・人材派遣・不動産業・建設業・探偵業・風俗業のように、行政に許認可・届出・免許が必要な事業では、申請する住所にバーチャルオフィスを使えません。書類保管、面談スペース、プライバシー保護、トラブル防止のために、実態のある通常のオフィスが求められるためです。
業種別の事務所の要件と、オフィス別の可否
| 業種 | バーチャル | シェア | レンタル | 賃貸 |
|---|---|---|---|---|
| 古物商 | 利用不可 | 利用不可 | 個室なら利用可能 | 利用可能 |
| 職業紹介・人材派遣 | 利用不可 | 契約内容による(かなり難しい) | 面談スペースが必要 | 利用可能 |
| 建設業 | 利用不可 | 利用不可 | 難しい | 利用可能 |
| 税理士・行政書士などの士業 | 利用不可 | 利用不可 | 利用可能 | 利用可能 |
| 探偵業 | 利用不可 | 利用不可 | 利用可能 | 利用可能 |
| 不動産業 | 利用不可 | 利用不可 | 利用不可 | 利用可能 |
| 風俗業 | 利用不可 | 利用不可 | ほとんどのレンタルオフィスで契約不可 | 利用可能 |
各業種の事務所の主な要件は次のとおりです。
- 古物商:「一定期間の契約」と「独立管理のできる構造設備」が必要。古物の台帳を保管し、管理者がいる実体のある営業所が求められる
- 職業紹介・人材派遣:高さ約180cmのパーテーションで区分けされた面談スペースと、固定電話回線が必要
- 建設業:建物入口の表札や看板、独立した一室、商談スペース、固定電話機が必要。制約が厳しく、レンタルオフィスでも難しい
- 士業:税理士は税理士会、行政書士は日本行政書士会連合会への登録が必要で、登録申請に実態のあるオフィスが求められる
- 探偵業:トラブル防止のため、責任者が常駐する実態のあるオフィスがないと許認可が下りない
- 不動産業:自社専用の出入口が必要で、365日24時間の独占使用と、専有部分での来客対応が条件
詳しくはバーチャルオフィスの住所を利用すると違法になる可能性のある業種をご覧ください。
自治体の助成金・補助金が不利になる場合がある
バーチャルオフィスを使っていると、地方自治体によっては、助成金や補助金の申請が不利になる、または通らないことがあります。起業する場所や登記の場所によって、受けられるサービスや補助金の条件が自治体ごとに異なり、特に「住所の実態」に関する条件が重要です。
新宿区の実例
新宿区では、バーチャルオフィス・レンタルオフィス・シェアオフィスなどが補助金の対象外とされています。理由は次の2つです。
- 転居が容易で、事業の継続性に懸念があること
- 過去に、シェアオフィスを利用した実態のない法人からの補助金申請が多発したこと
例えば、新宿区中小企業向けの「専門家活用支援事業」では、申請書に「バーチャルオフィス等の利用者は補助対象外」と明記されています。補助金の申請には、自己所有不動産や正式な賃貸借契約書が必要で、短期契約のレンタルオフィスなどでは申請が難しい状況です。すべての区が同じではありませんが、新宿区のように、バーチャルオフィスだと不利になる場合があります。
出典 (新宿区)経営力強化支援事業補助金の対象事業者の要件に関する陳情 city.shinjuku.lg.jp/content/000413210.pdf
編集部会社を登記する段階で、「バーチャルオフィスだと不利になる補助金や制度がないか」を確認しておくことをおすすめします。
銀行口座の審査で不利になる条件がある
バーチャルオフィスを使っていると、一部の銀行では不利になることがありますが、必ずしも「口座開設ができない」わけではありません。「できない」という噂には、2つの理由があります。
- 特殊詐欺の増加で、銀行が口座開設の審査を厳しくした。2019年頃までは、都市銀行以外のネットバンキングで、バーチャルオフィス利用者の口座開設を断るところがあった
- 一部の銀行が、口座開設の条件として、オフィスの賃貸契約書の提出を求める。バーチャルオフィスは「サービスの契約」なので、賃貸契約書を出せない
しかし最近は、バーチャルオフィスの認知が進み、法改正で運営会社の入会審査も厳格になり、詐欺業者の利用も減りました。その結果、バーチャルオフィスを利用しているだけで口座開設を断られるケースは少なくなりました。
銀行が新規口座の審査で重視するのは、オフィスの利用形態ではなく、事業の実態や健全性です。レンタルオフィスや賃貸オフィスでも、事業の実態が見えなければ、銀行は取引しません。ただし、賃貸オフィスの会社に比べて不利になる可能性はあるため、会社案内・ホームページ・経営計画書などを充実させて補いましょう。
| オフィスの種類 | 口座開設 |
|---|---|
| バーチャルオフィス | 一部の銀行で不利になる場合がある |
| シェアオフィス | 一部の銀行で不利になる場合がある |
| レンタルオフィス | 一部の銀行で不利になる場合がある |
| 賃貸オフィス | レンタルやバーチャルに比べて有利 |
編集部最低限、「会社案内」「ホームページ」「経営計画書」「商品サービスの提案書」などの資料を充実させて申し込みましょう。資料の充実度と、口座開設できる可能性は比例します。
詳しくはバーチャルオフィスで銀行口座開設は可能か?をご覧ください。
融資審査(創業融資)は不利になる?
銀行などの金融機関は「信用」がないとお金を貸しません。信用は過去の実績から生まれるため、バーチャルオフィスの利用にかかわらず、創業したての会社が銀行から融資を受けるのはハードルが高いと言えます。通常のオフィスがある企業に比べると、信用度がさらに低くなり、融資を受けられない可能性もあります。
とはいえ、創業したばかりの小さな会社は、現実には、日本政策金融公庫の創業融資を利用することが多いはずです。日本政策金融公庫の創業融資では、バーチャルオフィスだからといって審査に通らないということはありません。
ただし審査はあるため、不利になる可能性はあります。バーチャルオフィスは賃貸オフィスの資金が要らず、数万円で気軽に開業できるため、審査担当者からは事業への本気度が低く見えることがあります。そのために、創業融資を受けられなかった企業もあります。事業計画書などで、本気度と実態を示しましょう。
| オフィスの種類 | 融資審査 |
|---|---|
| バーチャルオフィス | 不利になる場合がある |
| シェアオフィス | 不利になる場合がある |
| レンタルオフィス | 不利になる場合がある |
| 賃貸オフィス | レンタルやバーチャルに比べて有利 |
大企業と取引できない場合がある
ひと昔前は、バーチャルオフィスがあまり知られておらず、オフィスがない会社として、取引相手に敬遠されがちでした。最近は、企業のテレワーク化が進み、オフィスを持たない企業も増えたため、企業間取引の信頼関係にはそれほど影響しなくなっています。
ただし、大手企業の一部には、取引の条件として、オフィスの賃貸契約書などを求める会社があります。しっかりしたオフィスがないと、取引してもらえない場合があります。
関連情報はバーチャルオフィスのトラブルやリスクをご覧ください。
仕事場所が無く、メリハリが効きにくい
バーチャルオフィスは住所だけを借りるため、実際の仕事場所は自宅になることが多くなります。自宅で仕事をするデメリットは、集中しにくいこと、公私のメリハリが効きにくいことです。会社勤めに慣れた方ほど、会社では集中できるのに、家ではだらけてしまうこともあるでしょう。
レンタルオフィスやシェアオフィスは、作業スペースを借りるため、周りの人が仕事をしていることが刺激になり、集中力ややる気につながる場合があります。自宅で集中できないと感じるなら、自宅の一室を仕事部屋にする、コワーキングスペースを定期的に使うなど、環境づくりが有効です。
| オフィスの種類 | 作業スペース |
|---|---|
| バーチャルオフィス | なし |
| シェアオフィス | 共有スペースがある |
| レンタルオフィス | 専有スペースがある |
| 賃貸オフィス | 専有スペースがある |
編集部時間貸しのコワーキングスペースをたまに使うと、仕事にメリハリがつきます。ドロップイン可能な格安コワーキングスペースはこちら
編集部バーチャルオフィスは一人で仕事する方が多く、どうしても怠けてしまうことがあります。時間単位でワークスペースを借りて環境を変えると、効率ややる気も変わります。
人材採用に影響する
「常設オフィスがない」ことは、求職者に、会社の経営基盤や将来性への疑問を与えかねません。パート採用ならまだしも、正社員の採用では、なおさら影響します。
ただし、最近はテレワークが一般的になり、出社せずに働く雇用形態も増えています。将来的には、人材採用への影響は小さくなるかもしれません。
郵便物が1〜2日遅れる
バーチャルオフィスでは、その場所に自分がいないため、届いた郵便物は、自分で取りに行くか、転送してもらうことになります。問題は、急ぎで受け取りたい郵便物がある場合です。取引先からの請求書、税務署や銀行からの通知など、急ぎで対応する郵便物は少なくありません。
例えば、大阪に住んで東京のバーチャルオフィスを使っている場合、受け取りに行くことはできません。すぐに転送してもらっても、到着まで1〜2日かかります。特に、自宅から遠いバーチャルオフィスを契約する場合は、郵便物の扱いに注意が必要です。
| オフィスの種類 | 受取のしかた |
|---|---|
| バーチャルオフィス | リアルタイムに受け取れない |
| シェアオフィス | リアルタイムで受け取れる |
| レンタルオフィス | リアルタイムで受け取れる |
| 賃貸オフィス | リアルタイムで受け取れる |
固定電話・FAXが使えない
バーチャルオフィスは名義だけを借りるため、通常の固定電話機やFAXは使えません。賃貸オフィスやレンタルオフィスなら、NTTと契約して市外局番(03など)の固定電話を使えますが、これはオフィスの賃貸契約を結ぶからできることです。バーチャルオフィスはスペースを借りないため、電話会社と契約して固定電話回線を取得することができません。
そのため、運営会社はオプションとして、電話転送サービスや電話代行サービスを用意しています。ただし、これらは受信だけのサービスです。テレアポなど、電話やFAXの発信を頻繁に使う業種では、固定電話がないと不便で、パフォーマンスも落ちるでしょう。
| オフィスの種類 | 固定電話 |
|---|---|
| バーチャルオフィス | 電話回線が引けない(転送電話で対応) |
| シェアオフィス | 電話回線が引けない(転送電話で対応) |
| レンタルオフィス | 固定電話回線を開設できる |
| 賃貸オフィス | 固定電話回線を開設できる |
バーチャルオフィスのメリットは?8個の強み
メリットは、コスト・リスク・スピード・プライバシー・イメージの5つの軸で、賃貸・レンタル・シェアオフィスを上回ります。
初期費用が1万円以内で済む(賃貸の最大1/100)
何と言っても、初期費用が安いことが最大のメリットです。賃貸オフィスを借りる場合は、敷金(保証金)が約6〜10か月分、前払い家賃、火災保険料、礼金、仲介手数料が必要です。賃料が10万円でも、100万円近くを用意しなければなりません。
シェアオフィスやレンタルオフィスは、賃貸より初期費用が安くなりますが、それでも、月額料金の1〜2か月分で最低10万円以上が必要です。バーチャルオフィスはスペースを借りないため、月額利用料を除いた初期費用を1万円以内に抑えられます。
| オフィス | 入会金・事務手数料 | 敷金・保証金 | その他かかる費用 |
|---|---|---|---|
| バーチャルオフィス | 5,000〜10,000円 | 原則かからない | 原則かからない |
| シェアオフィス | 1万〜3万円(月額の1〜2か月) | 原則かからない | 原則かからない |
| レンタルオフィス | 3万〜10万円(月額の1〜2か月) | 0円〜2か月分 | 固定電話、FAX、備品 |
| 賃貸オフィス | 入会金・事務手数料の項目はない | 賃料の6〜12か月分 | 礼金、仲介手数料、通信機器、オフィス設備や備品 |
月額1,000〜5,000円でランニングコストが安い
バーチャルオフィスが選ばれる理由の多くは、月額のランニングコストの安さです。例えば、都内で月額10万円のワンルームの賃貸オフィスを借りると、共益費・光熱費・インターネット代などで最低2万円が加わり、月12万円以上が必要です。レンタルオフィスは、共益費やネット代が含まれることが多く、多少安くなりますが、それでも月5万円〜が相場です。
これに対し、バーチャルオフィスは、提供会社によって異なりますが、月1,000〜5,000円程度が相場です。維持費が安いと、経営に余裕が生まれます。売上が立ちにくい創業初期ほど、最低限のランニングコストで始めるのが得策です。
| オフィス | 月額費用の相場 | 月額以外にかかる費用 |
|---|---|---|
| バーチャルオフィス | 1,000〜5,000円 | 郵便費用 |
| シェアオフィス | 1万〜3万円 | 共益費がかかる場合がある |
| レンタルオフィス | 4万〜8万円 | 共益費、光熱費 |
| 賃貸オフィス | 7万〜10万円 | 共益費、保険費用、光熱費、通信費 |
詳しくはレンタルオフィスとバーチャルオフィスの月額料金の違いをご覧ください。
事業に失敗しても金銭的リスクが低い
賃貸オフィスの契約期間は通常2年で、2年未満で解約すると、多額の違約金が発生する場合があります。違約金がなくても、原状回復が必要で、多額の保証金も戻りません。
レンタルオフィスは、契約期間が1年未満のところが多く、1か月単位や1週間単位の契約もあります。バーチャルオフィスも、毎月から1年契約まで様々ですが、月額が1,000〜5,000円程度と安いため、途中で解約しても金銭的な負担が少なく済みます。起業や新規事業は、必ずしもうまくいくとは限りません。金銭的な損失を最小限に抑えられるのが強みです。
| オフィスの種類 | 金銭的リスク |
|---|---|
| バーチャルオフィス | 金銭負担が少ない |
| シェアオフィス | レンタルオフィスよりは少ない |
| レンタルオフィス | 賃貸オフィスよりは少ない |
| 賃貸オフィス | 金銭負担が大きい |
自宅住所を出さずプライバシーを守れる
自宅で開業して法人登記すると、名刺・ホームページ・会社案内の会社所在地に、自宅の住所や電話番号を書くことになります。Amazonなどで個人がネットショップを開業する場合も同じで、特定商取引法に基づく表記の義務があり、自宅の住所や電話番号をショップ内に載せなければなりません。
一方で、名刺やホームページに会社の住所を載せないと、取引先から信頼されにくく、事業もうまくいきません。とはいえ、仕事でトラブルが起きたときのことを考えると、できる限り自宅の住所や電話番号は公にしないほうが無難です。特に若い女性は、仕事上の付き合いがきっかけでストーカー被害に遭うことも十分あり得ます。
{mk(“バーチャルオフィスなら、パンフレット・ホームページ・名刺にバーチャルオフィスの住所を使え、自宅を公開せずに済みます”)}。ネットショップでの利用はバーチャルオフィスでのネットショップ利用をご覧ください。
会社設立が最速、スピード起業できる
賃貸オフィスは、まず場所探しから始まり、条件に合うオフィスがすぐ見つかるとは限りません。見つかっても、現在の入居企業が退去するまで数か月待つことがあります。さらに、入居審査、賃貸契約、電話回線、内装工事、インターネット契約など、多くの手続きがあり、入居まで半年以上かかることも珍しくありません。
レンタルオフィスは、賃貸より短く済みますが、希望の部屋が空いていないと、現在の借主の退去を待つことが多くなります。
バーチャルオフィスは、短期間で契約でき、登記までスピード起業できるのが特徴です。事業者によっては即日契約も可能で、詳しくはバーチャルオフィスの即日契約で解説しています。本人確認書類などの必要書類がそろえば、3〜4日ほどで契約でき、その後すぐに登記申請ができます。契約から登記申請、会社設立まで、最短2週間が目安です。
| オフィスの種類 | 開始までの期間 |
|---|---|
| バーチャルオフィス | 短期間(1週間前後) |
| シェアオフィス | 短期間 |
| レンタルオフィス | 空いていない場合、退去まで待つ可能性がある |
| 賃貸オフィス | 空いていない場合、退去まで待つ可能性がある |
低価格で複数拠点を持て、集客に有利
バーチャルオフィスを都道府県ごとに複数契約すると、ホームページなどの集客に有利になる場合があります。ユーザーに「全国展開している会社」と印象づけられるためです。東京だけに営業所がある会社より、名古屋・大阪・福岡・仙台にも拠点がある会社のほうが、信頼度が高く見栄えも良いとされます。
SEOの面でも有利です。何かを購入するとき、人は自分の住む場所に近い業者を探し、「地域名+商品・サービス名」で検索することが多くなります。例えば、千葉でドアの修理業を営むなら、「千葉」を含む検索でヒットしやすくなります。
バーチャルオフィスで拠点を展開し、ホームページをうまく作れば、地域検索でヒットして集客につながることがあります。Googleビジネスプロフィールで、Googleマップにも登録できるようになるため、「Googleマップ」検索でもヒットしやすくなります。
低料金で会社のイメージを上げられる
場所には、それぞれ固有のイメージがあります。例えば、金融系なら茅場町、ITベンチャーなら青山・渋谷、堅い会社なら大手町、電気系なら秋葉原、といった具合です。バーチャルオフィスを使えば、低料金で所在地から会社のイメージアップ、ブランディングを図れます。
初めての商談で、名刺の住所が自宅より東京の一等地のほうが、印象が良いのは言うまでもありません。「この住所なら家賃も高いから、それなりに儲かっている会社だろう」と、相手に想像させることもできます。会社の所在地は、想像以上に会社のイメージアップに貢献します。
付帯サービスが受けられる場合もある
運営するバーチャルオフィス会社によって異なりますが、付属のサポートとして、電話代行や経理代行などがあり、一緒に使うと安くなる特典がある場合があります。
ほかにも、経営コンサル、助成金・補助金のコンサルティング、ビジネスセミナー、会員同士の異業種交流会などを、定期的に開催しているバーチャルオフィス会社もあります。
バーチャルオフィスのメリット・デメリットに関するよくある質問
バーチャルオフィスの利用は違法ですか?
違法ではありません。一般の会社・ネットショップ・組合・NPO・社団法人などは、バーチャルオフィスの住所で合法的に法人登記できます。ただし、古物商・士業(税理士・行政書士など)・人材派遣・不動産・建設・探偵・風俗など、行政の許認可や免許が必要な業種は、申請届出の住所にバーチャルオフィスを使えません。実態のあるオフィスが要件となるためです。詳しくは違法になる可能性のある業種をご覧ください。
バーチャルオフィスで銀行口座は開設できますか?
開設できます。銀行が審査で重視するのは、オフィスの利用形態ではなく、事業の実態や健全性です。会社案内・ホームページ・経営計画書などの資料を整えれば、バーチャルオフィス利用でも口座開設できるケースが大半です。ただし、一部の銀行では賃貸契約書の提出を求められ、不利になる場合があるため、資料を充実させて申し込みましょう。詳しくはバーチャルオフィスで銀行口座開設は可能かをご覧ください。
バーチャルオフィスでも社会保険に加入できますか?
加入できます。「バーチャルオフィスだと社会保険に入れない」というのは都市伝説的な噂で、事実ではありません。むしろ、法人を設立すると社会保険への加入が義務づけられています。オフィスの形態にかかわらず、加入手続きが必要です。
バーチャルオフィスだと補助金・助成金は使えませんか?
自治体によっては不利になる場合があります。新宿区のように「バーチャルオフィス等の利用者は補助対象外」と明記している制度もあり、自己所有不動産や正式な賃貸借契約書を要件とするケースがあるためです。すべての自治体・制度が対象外というわけではないので、登記前に、利用予定の補助金・助成金の要件を必ず確認してください。
バーチャルオフィスだと融資は受けられませんか?
受けられます。日本政策金融公庫の創業融資では、バーチャルオフィスだからといって審査に通らないということはありません。ただし、創業したての実績がない会社は融資のハードルが高く、通常のオフィスがある企業に比べると、審査で不利になる場合はあります。事業計画書などで、本気度と実態を示すことが重要です。
まとめ:バーチャルオフィスが向いている人・向いていない人
メリットとデメリットを見比べていかがでしたか。結論として、次のように整理できます。
- 最初は一人で起業する人
- 「コストの安さ」「会社のスピード設立」「経済的なリスクの低さ」を重視する人
- 起業したいが、お金の工面が難しい人(最もリスクの少ない形で会社を興せる)
向いていない人・避けたほうがいい場合
士業・不動産など、許認可や免許が必要な事業を始める場合は、バーチャルオフィスは避けたほうがいいでしょう。また、来客の接客スペースやショールームが必要な事業も、不向きかもしれません。
