バーチャルオフィスとは?意味・仕組みを初めての人にもわかりやすく解説

「バーチャルオフィスとは何か」を、これから起業や副業を始める人にもわかるように整理しました。ひとことで言うと、バーチャルオフィスとは、事務所のスペースは借りずに「住所」だけを借りられるサービスです。この記事では、意味と仕組み、できること、料金が安い理由、レンタルオフィスや自宅との違いまで、図解でやさしく解説します。
この記事の結論
バーチャルオフィスは、実際の部屋は借りずにビジネス用の住所を月額数千円〜で借りられるサービスです。名刺やホームページへの住所記載、法人登記、郵便物の転送に使えます。「作業場所は自宅やカフェにあり、住所だけほしい人」に向いています。
- バーチャルオフィス=住所を借りるサービス。部屋(作業スペース)は付かない
- 基本サービスは「住所利用・法人登記・郵便物転送」の3つ
- 敷金・礼金・内装費が不要で、賃貸オフィスより大幅に安い
- 作業場所も要るならレンタルオフィス/シェアオフィスが選択肢になる
目次
バーチャルオフィスとは?住所を借りるサービス
バーチャルオフィス(英語:virtual office)は、その名のとおり「物理的な部屋を持たない仮想的なオフィス」のことです。実際のスペースを貸すレンタルオフィスや賃貸オフィスと違い、バーチャルオフィスは場所は貸さず、住所とインフラ機能だけを借りる新しいオフィスの形です。ひと昔前は「ビジネス版私書箱」「住所貸し」とも呼ばれていました。
「バーチャルオフィス」には2つの意味がある
言葉としては次の2つの意味があります。この記事で扱うのは①の住所貸しサービスのほうです。
- ①住所貸しサービス:ビジネス用の住所を借りる(=本記事のテーマ)
- ②バーチャルオフィスツール:離れた仲間と働くためのweb会議・仮想空間アプリ
②のツールについてはバーチャルオフィスツールとはで解説しています。
できることは?3つの基本サービス
料金や名前は会社によって違いますが、ほとんどのバーチャルオフィスが共通して提供している基本サービスは3つです。まずはこの3つを押さえれば、バーチャルオフィスで何ができるかがわかります。
住所利用(名刺・ホームページ・会社案内に記載できる)
借りた住所を、名刺・ホームページ・会社案内・商品パンフレット・取引先との契約書などにビジネス用住所として記載できます。自宅住所を公開せずに事業ができるのが大きな利点です。
法人登記の住所として使える
株式会社や合同会社を設立するときの法人登記の本店所在地として、借りた住所を利用できます。自宅を登記に使いたくない人や、賃貸・分譲マンションで登記できない人の受け皿になります。
郵便物・荷物の受け取り・保管・転送
借りた住所に届いた郵便物や荷物を受け取り・保管し、利用者が指定した住所へ転送してくれます。転送の頻度(週1回・その都度・月2回など)は会社によって異なります。
プラスで選べる付加(オプション)サービス
基本の3サービスに加えて、会社ごとにさまざまなオプションを付けられるのもバーチャルオフィスの特徴です。電話代行会社やレンタルオフィス、シェアオフィスを兼業している会社も多く、付けられるサービスは各社で異なります。
- 電話転送:借りた電話番号にかかった電話を、自分の携帯へ即時転送
- 電話代行:オペレーターが会社名で電話に応対(電話秘書)
- 貸し会議室:商談や打ち合わせのときに時間貸しで利用
- ワークスペース:併設のコワーキング等を作業場所として利用
- 会社案内・名刺・ホームページ制作:起業時の販促物をまとめて依頼
- 経理・記帳代行、会社設立代行、助成金の相談など
「会社」としての信用を高めるうえで固定電話は有効です。電話まわりを整えたい場合は、電話サービス付きのプランを検討するとよいでしょう。
関連記事 バーチャルオフィスの電話代行プランの特徴・メリット・注意点レンタル・シェアオフィス・自宅との違いを比較
初めての人がいちばん迷うのが、似た名前のオフィスサービスとの違いです。ポイントは「作業できる部屋が付くかどうか」。バーチャルオフィスだけは部屋が付かず、住所機能に特化しているぶん料金が安い、と覚えると整理できます。
| バーチャル オフィス |
シェア オフィス |
レンタル オフィス |
自宅 | |
|---|---|---|---|---|
| 作業スペース | なし | 共有席 | 個室 | あり |
| ビジネス住所 | ◎ | ○ | ◎ | 自宅住所 |
| 法人登記 | 可(一般業種) | 物件による | 可 | 規約による |
| 料金の目安 | 最も安い | 中 | 高い | 0円 |
| 向いている人 | 住所だけ欲しい | 時々作業も | 毎日通う | 住所公開OK |
すでに自宅やカフェなど作業場所がある人は、住所機能だけを安く借りられるバーチャルオフィスが合理的です。逆に、毎日通える個室や来客対応の場所が必要なら、レンタルオフィスやシェアオフィスが向いています。
合わせて読みたい レンタルオフィスとバーチャルオフィスの違い 部屋の有無・料金・登記の可否を、それぞれの特徴とあわせて詳しく比較しています。なぜ安い?料金が抑えられる理由
バーチャルオフィスが広まった最大の理由は、賃貸オフィスに比べて初期費用も月額も大きく抑えられることです。起業のハードルが下がり、副業や週末起業でも手軽に使えます。
安さの理由は「部屋を持たない」から
賃貸オフィスは、マンションの一室でも敷金・礼金・保証金・内装工事費など、まとまった初期費用が必要です。バーチャルオフィスは部屋を持たないため、これらが不要。初期費用は数万円程度、月額も数千円台から利用できる会社が多く、事業の立ち上げコストを大幅に下げられます。
本格的な起業だけでなく、副業・週末起業・定年後のビジネスまで、幅広く手軽に使えるのがバーチャルオフィスの魅力です。より安さを重視するなら、格安のプランを比較した記事も参考になります。
関連記事 登記もできるおすすめの格安バーチャルオフィス比較どんな人・業種が使っている?
バーチャルオフィスは特定の業種に限られません。オフィスに出社しなくても自宅で仕事ができる業種や、無形のサービスを提供する業種と特に相性が良く、創業期の一人社長や少人数の会社が多く使っています。
- 起業・独立・新規開業:オフィスコストを抑えて事業に集中する(最も多い)
- 週末起業・副業:低料金で気軽に始められる。ネットビジネスが中心
- 出張所・営業所・支店:地方の会社が東京進出の拠点として活用
- WEBデザイナー・ライターなどのクリエイティブ職
- システム開発・ソフトウェア開発
- ネットショップ・EC運営(特商法表記の住所として利用)
- 広告代理店・インターネットサービス
- 各種コンサルティング・セミナー・研修
- カウンセラー・コーチング・占い・オンラインサロン
契約前に知っておく3つの注意点
手軽で便利なバーチャルオフィスですが、契約前に知っておきたい注意点が3つあります。ここを押さえておけば、「思っていたのと違った」を防げます。
作業スペースは付かない・使えない業種がある・口座審査は実態重視
- 作業する部屋は付かない:あくまで住所サービス。毎日通う場所が要るならレンタルオフィス等を検討
- 使えない業種がある:人材派遣・古物商・不動産業・士業など、実体オフィスが要件の許認可業種は住所に使えない
- 法人口座・融資の審査は事業実態を重視:住所より事業の中身で見られる。事業計画やホームページを整えておく
相談者安くて便利そうですが、あとで困ることはないですか?
編集部「作業場所は別にある」「一般的な業種」「口座は事業実態で通す」——この3点をクリアできれば、まず問題ありません。
心配な業種や口座・登記の詳しい話は、下の関連記事もチェックしてみてください。
よくある質問
相談者はじめてなので、基本的なところをまとめて確認させてください。
バーチャルオフィスとは、簡単に言うと何ですか?
事務所のスペースは借りずに、ビジネス用の「住所」だけを借りられるサービスです。借りた住所は名刺・ホームページ・会社案内への記載、法人登記、郵便物の受け取り・転送に使えます。作業は自宅やカフェなどで行い、住所機能だけを月額数千円台から利用できるのが特徴です。
バーチャルオフィスでは作業もできますか?
基本的には作業スペースは付きません。住所を借りるサービスなので、実際の作業は自宅やカフェで行います。時々作業場所も使いたい場合はコワーキング併設のプランを、毎日通う個室が必要な場合はレンタルオフィスやシェアオフィスを検討してください。
バーチャルオフィスの住所で法人登記はできますか?
一般的な業種であれば、バーチャルオフィスの住所で法人登記できます。ただし人材派遣・古物商・不動産業・建設業・士業など、実体のある事務所が許認可の要件になる業種は住所として使えません。契約前に自分の業種が対象かどうかを確認しましょう。
レンタルオフィスやシェアオフィスと何が違いますか?
いちばんの違いは「作業できる部屋が付くかどうか」です。レンタルオフィスは個室、シェアオフィスは共有席という作業スペースが付きますが、バーチャルオフィスは住所機能だけで部屋は付きません。そのぶん料金が最も安く、すでに作業場所がある人に向いています。
