個人事業主の開業届ガイド|必要書類5つと提出先・手続きの流れ

- 個人事業主になるための、手続きの流れを知りたい
- 開業届のほかに、どんな書類が必要か知りたい
- 従業員を雇う場合の、追加の手続きを知りたい
個人事業主になるのは、法人設立のような、登記や定款が不要なため、比較的簡単です。書類に必要事項を書いて、税務署や都税事務所に提出するだけで、開業できます。この記事では、必要な書類と、提出の流れを解説します。
この記事の結論
個人事業主になるための、基本の書類は4種類。書類の作成は15〜30分程度で、税務署への往復を含めても、2時間程度で手続きが完了します。費用もかかりません。
- 開業届の提出期限は、事業を開始してから1か月以内
- 青色申告を選ぶなら、開業から2か月以内に、別の届出が必要
- 従業員を雇う場合は、労働保険・社会保険の手続きも必要
開業に必要な書類
まず、必要な書類を用意します。税務署の窓口か、インターネットから入手できます。
1.開業届
個人事業主として、開業するために必要な書類です。納税地の欄には、自宅を事務所として使うなら、自宅の住所を書きます。事務所を借りるなら、その住所でも構いません。将来、引っ越す可能性を考えて、自宅の住所を書く人も多いようです。レンタルオフィスやバーチャルオフィスの住所を、納税地にすることもできます。
事業所の住所を書く欄もありますが、レンタルオフィスなどを利用する場合、記載しなくても問題ない場合が多いようです。氏名を書いて、捺印(実印でなくて構いません)します。職業欄は、総務省統計局の日本標準職業分類を参考に、記入しましょう。屋号がなければ、空欄でも問題ありません。
提出期限は、事業を開始してから1か月以内です。記入方法で迷ったら、税務署の窓口で、直接相談しながら書くこともできます。
手続きの案内 A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁2.青色申告承認申請書
白色申告にする場合は不要ですが、青色申告には、税制上の優遇措置が多くあるため、選択をおすすめします。提出期限は、開業から2か月以内です。
3.青色事業専従者給与に関する届出(親族を雇う場合)
配偶者や親族を、専従者として雇う場合に、提出する書類です。青色申告で、この届出をしておけば、届出書に記載した金額の範囲内で、実際に支払った給与を、必要経費にできます(労務の対価として、相当な金額であることが必要です)。
なお、白色申告の場合は、届出をしなくても、配偶者86万円、その他の親族50万円までの、定額の「事業専従者控除」を受けられます。青色申告の専従者給与とは、別の制度である点に、注意してください。
4.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
源泉所得税は、原則、徴収した月の翌月10日が納期限ですが、給与の支給人数が常時10人未満であれば、この申請により、年2回にまとめて納付できます。提出しておけば、毎月の納付が不要になり、事務の手間を減らせます。
これらの書類は、後で内容を見直すこともあるため、提出した控えを、必ず保管しておきましょう。
税務署・都税事務所への提出
書類がそろったら、税務署に提出します。持参するものは、次のとおりです。
- 免許証などの、公的な身分証明書
- 個人番号(マイナンバー)
- 印鑑
たとえば、東京都豊島区で開業する場合、次の窓口が該当します(住所・連絡先は、掲載時点の情報です。最新情報は、公式サイトで確認してください)。
| 豊島税務署 | 〒171-8521 東京都豊島区西池袋3-33-22/TEL 03-3984-2171/池袋駅徒歩10分/受付8:30〜17:00 |
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所得税は国税のため、税務署が窓口ですが、個人事業税は地方税のため、別途、都道府県税事務所(東京都の場合は都税事務所)にも、「事業開始等申告書」を提出する必要があります。書式は、東京都内では、共通のものが使われています。
| 豊島都税事務所 | 〒171-8506 東京都豊島区西池袋1-17-1/TEL 03-3981-1605/池袋駅西口徒歩2分 |
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豊島税務署と豊島都税事務所は、近い場所にあるため、税務署の行き帰りに、あわせて立ち寄ることもできます。
従業員を雇う場合
開業当初は一人でも、従業員を雇うことになったら、追加の手続きが必要です。
労働保険への加入
労働保険は、労災保険(業務中の事故・病気を補償)と、雇用保険(雇用の安定・再就職支援)の2種類です。最寄りの労働基準監督署や、都道府県労働局への届け出が必要で、労働保険加入届や、労働者名簿などの書類を用意します。
社会保険への加入
健康保険・厚生年金保険(社会保険)も、従業員を雇う場合に、加入が必要です。最寄りの年金事務所への届け出が必要で、健康保険・厚生年金保険加入届や、労働者名簿などを用意します。
よくある質問
開業届の提出に、費用はかかりますか?
費用はかかりません。税務署への開業届と、都税事務所(道府県税事務所)への事業開始等申告書を、無料で提出できます。
開業届を出す前に、事業を始めてしまいました。どうすればよいですか?
提出期限(事業開始から1か月以内)を過ぎても、開業届は提出できます。気づいた時点で、早めに提出しましょう。罰則の規定はありませんが、青色申告の届出などは、別途期限があるため、あわせて確認してください。
レンタルオフィスやバーチャルオフィスの住所を、開業届の納税地にできますか?
できます。納税地は、自宅、事業所、レンタルオフィス・バーチャルオフィスの住所などから、選べます。将来、法人化して住所を引き継ぎたい場合は、変更の少ない住所を選ぶと、後の手続きが楽になります。
まとめ:書類4種類を揃え、税務署と都税事務所へ
個人事業主になるための手続きは、法人設立と比べて、簡単です。開業届、青色申告承認申請書などの書類を揃え、税務署と、都税事務所(道府県税事務所)に提出しましょう。従業員を雇う場合は、労働保険・社会保険の手続きも、忘れずに行ってください。手続きに自信がない場合は、税理士や行政書士への相談も、検討しましょう。
- 基本の書類は4種類。費用はかからない
- 開業届は1か月以内、青色申告は2か月以内に提出
- 従業員を雇うなら、労働保険・社会保険の手続きも必要
